「誰のために、どんな仕事をしていくのか」あなたはありますか?

from 北海道旭川の自宅オフィス

こんにちは!

コピーライターの林 孝治(はやし こうじ)です。

 

 

今年一年、ブログを読んでくださり、ありがとうございます。

 

また、今年もいろんな方と出会い、

たくさんの素敵な想いを聞かせていただきました。

 

とても感謝しています。

 

 

今日、ここで書かせていただく文章は、

読んでくださる方のお役に立てるかわかりません。

 

ただ、読み終わったときに、

何かメッセージとしてお伝えできていればいいなと思っています。

 

 

よければ、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

***

 

今年になってから、ずっと考えていたことがありました。

 

それは、僕がコピーライターとして

『誰のために、どんな仕事をしていくのか』

ということです。

 

それが先日、自分の中でしっくりくる答えを見つけることができました。

 

その答えに行きついた3つの経験をお話します。

 

 

 

一つ目は、家具メーカーで職人をしていたことです。

 

2012年3月。

僕は、旭川にある山室木工株式会社という家具製造メーカーに

家具職人として転職しました。

 

創業して69年(当時)を迎える老舗メーカーで、

建物や機械、道具のどれを見てもとても歴史を感じます。

 

社員数は30名を満たない中小企業ですが、

小さいながらも、それなりに名の知れた会社です。

 

そんな会社が、家具づくりをしたことがない“ド素人”な僕を

温かく迎えてくれました。

 

 

そこで初めて経験したのが、『自分の努力を誰かが見てくれている』と感じたことです。

 

つくり方も専門用語も、図面の読み方さえわからない僕に

親身になって教えてくれたお師匠さんがいます。

 

その人の背中を見ながら仕事をしていると、

「こんな職人になりたい」と想うくらい尊敬している人です。

そして、そのお師匠さんに認められたいと思ってました。

 

 

そんなある日、上司からこんな話を聞きました。

 

お師匠さんが上司に

「アイツは大したもんだ。根性あるし、すぐに立派な職人になる」

と話していたそうです。

 

それを聞いたとき、涙が出そうなくらい嬉しかったことを今でも覚えています。

 

 

ただひたすら目の前のことに追われていたけど、

自分の努力を知らないところで見てくれている人がいる。

 

それだけでも嬉しいのに、尊敬するお師匠さんが言ってくれるなんて。

「これまでの努力が間違ってなかったんだ」って自信を持つことができました。

 

 

また、お師匠さんや他の先輩を見ていて気づいたことがあります。

 

口ではアレコレ言っていても、

本当は心から“ものづくり”を楽しんでいるということです。

 

よく耳にしたのは、

「あんなつくり方じゃダメさ。もっとこうして…」

というグチのようなこと。

 

 

でもおかしなことに、顔はどこか楽しそうなんです。

 

決して技術が低いから言っているわけでも、

人の悪口を言って楽しんでいるわけでもありません。

 

 “俺ならもっとこんなことができる”

と、まるで子どもが得意なことを話しているかのように、

技術について話すことを楽しんでいる感じでした。

 

 

そのとき、本物の職人に出会ったように思いました。

 

 

 

二つ目に経験したことは、人に伝えることの難しさです。

 

入社してから3年が経ったとき。

会社から部署異動の辞令がおり、職人から営業に配属されました。

 

と言っても、通常の営業ではなく、

ネットショップを運営したり、カタログの制作といった

クリエイティブな仕事が中心です。

 

 

 

そして、ここが今の僕の始まりでした。

 

 

 

当時、会社と提携していたクリエイターさんに色々教えてもらいながら

一つずつ覚えていきました。

 

それと一緒にやってきたのが、文章を書くことや写真を撮ることです。

 

 

「文章を書くなんてカンタン、カンタン♪」

なんて思っていましたが、正直、甘かったです。

 

職人がどんな想いで家具をつくっているのか。

どんなことを大切にしているのか。

使う人にどんな気持ちで使ってほしいのか。

 

自分たちが想っていることを誰かに言葉で伝えることは、

書いている人が思っている以上に伝わりません。

 

ましてや、僕らが普段当たり前だと思っている言葉は、

他の人からしてみたら当たり前ではない。

 

それに、業界用語をどう表現するとわかりやすいのかなど、

言葉の難しさを痛感しました。

 

 

ただ、一つ一つ丁寧に仕上げていくことで

とても嬉しい声を耳にすることもあるんです。

 

「家具づくりに真剣に取り組まれている姿勢がよく伝わりました。

 おたくの会社だったら、安心して家具が買えます」

「こういう家具をずっと探してました。ぜひ購入させてください」

「一生使い続けられそうな机ですね。イメージとピッタリだな」

 

文章や写真、サイトのデザインを褒めてもらうことはありません。

 

でも、いろんな人から商品を褒めてもらえるということは、

見てくださった方に自分たちの想いが伝わったと言えます。

 

 

だから、問い合わせをいただくたびに、「人に伝わる」喜びを感じました。

 

 

 

そして、2016年9月16日。

僕は山室木工株式会社を辞めて、一人で仕事を始めました。

 

理由は、コピーライターとしてもっと仕事がしたいと思ったからです。

そして、もっと成長して、山室木工株式会社に恩返しがしたいと思ってました。

 

 

そんな僕をいろんな方が応援してくださり、

「やりたいことをまっすぐに突き進みなさい」

と声をかけてくださったんです。

 

 

 

でも、その恩返しをするチャンスがなくなりました。

 

 

 

それが3つ目、会社が無くなることです。

 

 

2017年9月。

山室木工株式会社は自主廃業しました。

4月に社長が亡くなり、終えることを選んだんです。

 

社長が亡くなった後、すぐに会社から要請があり、

会社がなくなるまでの約半年間、お手伝いさせていただきました。

 

 

会社が無くなると聞いたとき、とてもショックでした。

僕にとって、山室木工株式会社は“今の自分が生まれ育った場所”です。

 

だから、会社が無くなるということは、

自分の生育した家だったり、故郷がなくなるのと一緒なんです。

 

 

「もう帰る場所がない…」

という哀しさを経験しました。

 

 

それに、亡くなった社長は、父親みたいな存在でした。

 

いろんなことを経験させてくださったり、背中をポンと押してくれたり。

今でも

「もっと話せばよかった。一緒にお酒を飲みに行けばよかった」

と思うことがあります。

 

このブログを書く1週間前にも、会社の前へ行きました。

 

機械の音も聞こえず、灯りもついていない建物を見て、

いろんな後悔で胸がいっぱいになりました。

 

 

そして、これまでのことを振り返ったとき、

本当にやりたいことに気づいたんです。

 

それは、僕が『誰のために、どんな仕事をしていくのか』という答えでした。

 

 

===

 

“ものづくり”の思想に「民藝(みんげい)」と呼ばれるものがあります。

 

それは、

「無名の職人により生み出され、美術品のように鑑賞するものではなく、

 日々の生活を送るために必要なもの」

という考え方です。

 

この思想に賛同した人たちが多くの「民芸品」を生み出してきました。

体を守るための服、食事を作るための道具、盛るための器などいろんなものです。

 

それら実用性を目的に職人が無心に努力を重ねた結果、

美しさを宿した「かたち」が生み出されることを「用の美」と言います。

 

 

山室木工では、その思想をこう考えました。

 

「使う人が想い描いている理想の暮らし。それを体現できる一番の引き立て役になること」

 

使う人がいて、モノははじめて役目を果たせます。

そこに、使う人の「大事にしたい」という想いが生まれ、少しずつ愛着という感情に変わる。

その愛着こそが、モノが本当に美しい姿になれたときだと考えます。

 

 

そして、この愛着が生まれるには、作り手である職人の「心」が必要です。

 

 

人が使いやすさや使い心地のよさ、自分らしさを表現できるなど

自分の心を満たすことができると「大事にしたい」と思い始めます。

 

そのためには、モノが『使われるためのきちんとした姿』をしていないといけません。

職人が使う人のことを想い続けるから、あるべき姿が生まれます。

 

 

どちらか一方の想いだけでは、「用の美」をまとったモノは生まれません。

作り手と使い手の「心」がモノに宿るから生まれます。

 

 

 

それを、職人を体験したこと、“人に伝える”という仕事をしたことを通して知りました。

 

 

 

僕がやりたい仕事は、

『ひたむきに“ものづくり”をしている会社とずっと続く未来を生きていくこと』

です。

それは、50年、100年と続いていく“ものづくり”企業を増やしていくことでもあります。

 

そして、理想の暮らしを叶えたいと思っている人と企業をつなぎ、

両者が心豊かに暮らせる日々をつくる。

 

 

これが僕のやりたい志事であり、

僕がコピーライターとして生きていく意味です。

 

 

そして、おこがましいかもしれませんが、

僕が味わった哀しい経験を誰にもしてほしくない。

 

そう想っています。

 

 

***

 

とても長くなってしまいましたが、

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

 

そして最後に、お伝えしたいことがあります。

 

あなたの周りに大切にしているモノはありますか?

愛着を持っているモノがありませんか?

 

そのモノをこれからも大切にしていってください。

 

モノは使う人の心を受け取ると、

あなたにしか見せない表情を見せてくれます。

 

いわば、世界に一つしか存在しないモノであり、

お金では買えない貴重なモノです。

 

 

ぜひいつまでも大切にしてください。

そして、一生使えるモノを見つけては、一緒に時間を刻んでいってください。

 

 

 


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〜あなたらしい物語で、あなたを形にします〜
コピーライター/林 孝治

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2017-12-27|
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